――嗚呼、何故私はこんな所に…


心の中での嘆きは誰に届く事も無く、私の中へと同化してゆく。

今私は、ミルさんが住んでいると言う山奥の村で、何故かミルさんの姉二人の質視線攻めにあっている。

姉二人も、ミルさんと同じ黒髪で長く、綺麗というより可愛らしい顔つきをしていた。



「やーん、男前ね~!!」
「ほんと、格好いいっ!!」
「でしょう!?私、この方に一目ぼ「おや…?お前さん、女だね?」

何時まで続くか分からない会話に終止符を打ったのは、祖母らしき老人だった。


「「「………」」」
「女、だね?」

三人が固まっている姿に首を傾げていると、低い声で再度問い掛けられ、とりあえず頷いておいた。










「「「お」」」」
『…お…?』




「「「女ー!!??」」」
『っ!』
「全く、騒がしい奴らじゃのう…」





貴方の発言がきっかけでは。

そう思ったが、一々言うのも面倒で、ただ目の前の三人の様子を眺めることにした。