下に降りるとお母さんはニヤニヤしながら何か言いたそうな目で見ていた。 「遅いぞ、羽衣」 そう言って笑う浩哉に小さく胸が鳴る。それをごまかすように勢いよく席に着いた。 「ご、ごめんなさーい…わっ」 今日のご飯は私の大好きなトマトソースのパスタとサラダ。少しだけ気持ちが浮上した私はニコニコしながらいただきます、と言った。 「…単純」 「え、何っ?」 「いや何も。ソース付いてる」 「うそっ?!!」 急いで拭き取ると浩哉は小さく笑った。