ピンポンとインターフォンを一つ押して、ドアを開ける。 小さい頃からのここに入るときの習慣だ。 「はいはーい。あら、おかえりなさい浩哉くん」 「…ただいまです」 “おかえりなさい” この言葉を聞く度に気恥ずかしくなるのは今も変わらない。家はいつも一人だからか、誰かがいるってくすぐったいんだよな。 「もうご飯出来るから適当にしてて。あ、羽衣は上だから」 「わかりました」 周りを見ると羽衣の姿はない。また寝てるのかゲームのどっちかだな。 そう思った俺は様子を見に行くことにした。