「譲喉渇いてるでしょ? どーぞ。」 そういって冷えた麦茶を手渡してくれた。 「ありがと。」 憂はいい嫁になるな。 よかった−。 憂が蜜華みたいに不器用で気の利かない奴じゃなくて。 「悪かったわね。」 「……口に出してた?」 「バッチリ。」 バキッ! ……今の音はすいか割りで使った棒で俺が殴られた音です。 今年の夏休みは楽しい思い出も苦い思い出も出来た。 このときまでだった。 平和に暮らしていけてたのは。