こわれもの



放課後。

窓枠を縁取るように室内を染める夕暮れ色を背に、アスカは教室を出た。

今日一日かけて考え、決意したことがある。

これからそれを、ヒロトに告げに行くのだ。

“今日、私は、ヒロちゃんを……”


廊下に出てすぐ、キョウに呼び止められた。

「アスカ! もう帰るの?」

「うん、ヒロちゃんと会ってくるから。

キョウは、マツリ達と遊びに行くの?」

アスカは、教室内にかたまっている男女数人のグループを見て訊いた。

キョウは首を振り、

「ううん。マツリと私は、駅前でアスカを待ってる」

「…………キョウ」


今日の昼休み中。

トイレに行った時、アスカはキョウに、放課後の予定を話していた。

ヒロトに別れを告げる、と……。


「マツリね、普段通りにしてるけど、朝からずっと、アスカのこと心配してたよ……。

もちろん、私だって!」

キョウは泣きそうな顔でアスカを見る。