病院に着いても、すぐには、産まれてくれない。 私は、何度も繰り返し襲ってくる痛みに耐えながら、その時を待った。 歩太はずっと傍にいて、体をさすってくれる。 「歩太、やっと会えるね・・・楽しみだね! 私頑張るからねっ!」 そして、陣痛が始まって22時間後、私は、ようやく分娩室へと、運ばれた。 「お父さんも、入って下さい!」 歩太の緊張はきっとピークを超えている。 .