「死のうと思ったんだ・・・。」 歩太のその言葉を聞いた時、私は歩太の腕をギュッと力いっぱい握った。 「死ねなかった。怖くなったんだ。情けないよな・・・。」 私は、震える自分の体を抑えるように、歩太を強く抱きしめた。 「情けなくなんかないよ・・・。その時の歩太に感謝だよ・・・。」 私がそう言うと歩太はまた、「ふっ」っと笑った。 .