おそらくこの中一杯に

教科書が入っているのだろう。


その袋を俺の前に差し出す。

「ご注文の教科書です。

 勉強、頑張ってくださいね」


これまで以上に

とろける笑顔を向けながら

女性スタッフは言う。


うわ、これマジヤバイ。


俺は赤く染まりそうな顔を

なんとか隠しながら、

「あ、ありがとうございます」

とお礼を言うと、

さっと向きを変えようとした。


でも、待てよ?