PiPiPiPi――――… 薄暗い部屋に携帯のアラーム音が鳴り響く。 ぬっと現れた手は黒い携帯を探し出し、アラームを止め再びポフッと力が抜けた様に白いシーツの上に落ちた。 現在朝の九時。 『―――…。』 聞こえるのは、心地よさそうな寝息だけ。 遅刻は決定的だった。