──…


長い学校が終わり、途中まで優美と帰ろうと支度をしていると、廊下から名前を呼ばれて視線をやる

「「りーか」」

「杏に、麻衣…」

わざわざ、二年の教室まで来てくれた二人の意図は、言わずともわかっている

「ちょっとガールズトークでもしよーぜ」

「……うん」

優美には先に帰ってもらい、私達は駅前の喫茶店に入った

道中は、いつもと変わらずに接してくる二人に、疑惑を感じる

頼んだ物を持ち、開いていた角のテーブルに着くと、話を切り出したのは麻衣だった

「──翔と別れたんだって??」

「……うん…」

「そうか
…理由、聞いてもいい??」

「……いろいろあって
その…私は、父には逆らえないから…」

そう言って、二人の顔が見れなくて俯いた

「……ふぅ~ん、そっかぁ
まぁ、それじゃあしょうがないよねぇ」

それまで黙っていた杏が、あっけらかんと言ったので、下げていた頭を上げた

「なぁに、そんなにびっくりしてぇ
怒られるとでも思ってたのぉ??」

「だってっ、二人から奪ったみたいなものだから…」

ずっと、二人には怒られると思っていたし、仲違いをするだろうと予期していた

だから、予想外の事に驚きが隠せない

「んなの、いつの話だよ
アタシら、んなのずっと前に終わってるから」

「そぉだよぉ??
ただぁ、友達として、理由が知りたかっただけぇ」

「……二人とも…」

別れた理由さえも、あんなに簡単なものだというのに…

心が温かい