「拓斗って本間飽き性やな。一か月も続いてへんやん」
思ってる事は千穂も同じだったらしい。
タクは毎回そう。モテるからって告白されるとホイホイそれに乗っかる。
乗っかっては直ぐにポイ。
まったく、女をなんやと思ってるねん。
「飽き性っつーか、俺に合う女がおらんだけ」
「なんなんそれ、嫌味?自慢?」
ボソっと呟くあたしに晃くんは、
「まぁ、拓斗の相手出来るんは音羽ちゃんだけやから」
意味不明な言葉を言う。
「え?何それ」
「そうそう、音羽の相手出来るんも拓斗だけやしなー」
ケラケラ笑う千穂と晃くんがなんか、ムカツク。
「どー言う意味なんっ、」
頬を膨らませたあたしの頬を千穂は軽く引っ張ってもっと笑った。
「そんな事より今度の休み海、行こうな。晃も行くやろ?」
「拓斗が行くんやったらな」
「俺は行くで。暇やし」
「じゃあ、賛成やん。な、音羽?」
何故か皆で行く事に思わず深い深いため息が出てしまい、あたしは思わず机に顔を伏せた。
なんか、気分が重い。



