だって、ほんまとっかえひっかえやねんもん。
見てるこっちが嫌やわ。
「つか、なんなんお前ら。何も言わんと行くなや」
しばらく経ってから聞こえて来たのは不機嫌な声とでも言える晃くんの声。
「本間やわ。探したやん!!」
同じく千穂も不機嫌。
二人ともシャワーを浴び終えたのか、さっぱり綺麗になって服を身につけていた。
「ごめん、ごめん」
不機嫌になってる晃くんと千穂に謝ったあたしは顔の前で手を合わせる。
「行くなら行くって言ってよ。なー、拓斗聞いてんの?」
「おぉ、聞いてる。あ、そーや、シートとか片づけなアカンやん」
「アホか。千穂と片付けて車に積んだわ」
「そうやで。大変やったんやから」
「マジで?サンキューお礼にやるわ」
ジーンズのポケットに手を突っ込んだタクはジャラジャラと音を経て、そこから小銭を取り出した。
そしてそのお金を晃くんの手に渡す。
「なんかすっげぇ安上がり」
「無いよりかはええやん」
「千穂、お前何がいいん?」
そう言って歩く晃くんの後を千穂は着いて行った。



