天使の瞳


ガタン…と音を立てて落ちてくる缶。

差し出すその手にはレモンティー。それを持って戻ると、タクは携帯を手にしたままあたしを見た。


「アイツら怒ってんぞ」


クスクス笑うタクは携帯をソファーに置きコーラを口に含む。


「え?何で?」

「さぁ…。なんか声が怒っとる。もーすぐ来るやろ」

「置いて来たからかな」


タクの隣に座って乾いた喉を冷たいレモンティーで潤す。


「置いて来たってガキじゃあるまいし」


そう言ったタクは目の前にある巨大テレビに視線を送った。

デニムのハ―フパンツを穿いたタクは上半身裸。綺麗な筋肉質の身体に一瞬目が奪われそうになった。

あれ?これってLIKE?それともLove?


「なー、タク?」

「ん?何?」

「なんで別れたん?」

「え?」

「だから彼女と何で別れたんって」

「なんでって俺に合わんかったから」

「合うとか合わんとかあるん?」

「はっ?普通あるやろ。だからお前も前の男と別れたんと違うん?」

「あー…まぁそうやけど」

「けど、タク早すぎるわ。女を馬鹿にしてるやろ」

「してへんわ」

「この遊び人!!」

「痛ってーなぁ!」


バシッとタクの頭を叩くとタクは顔を顰めてあたしを睨んだ。