「なんか音羽ちゃんの言ってる事が、俺とタクにも当てはまるみたいで怖いわ」
そう言った晃くん苦笑い気味で新たに煙草に火を点ける。
「って言うか、晃くんのイメージを崩したくないわ」
「何なんそれ、俺っていいイメージって事?」
「タクよりは…」
「つか、それ嬉しくねーな」
そう呟いた晃くんに歩夢はゲラゲラと笑う。
仲間に呼ばれた歩夢はここから立ち去り晃くんは数メートル先にある自動販売機へと向かう。
ただ一人になったあたしは未だ打ち上げられていくキラキラ輝くその光に目を向けた。
「…おと…は?」
不意に聞こえた声に視線を向ける。
視界に入った人物に思わずあたしはその姿に茫然と見てしまった。
…元彼だ。
よりによってこんな所で会うなんて思ってもみない。
隣町の二個上の先輩だった人。
別れの理由なんて分かんない。ただ会わない日々が続いた自然消滅だ。
「久し振り」
そう言って彼はぎこちなく微笑んだ。
「…久し…ぶり…」
「おーい、先行くぞ」
一緒に連れらっていた仲間だろうか。そう声を掛けて先を進んで行く。



