もう既に溶けているかき氷。
その液体をストローで飲みながら騒いでいるタク達に視線を送った。
と、するとドーンっと勢いよく打ち上げられた花火。
一発目の花火に周囲達の視線はそっちに釘付け。
まわりの歓声があちらこちらと聞こえてくる。
次々と打ち上げられていく花火をボンヤリとあたしは見上げてた。
「うわっ、すげぇ珍しい組み合わせ」
不意に聞こえた声に視線を向けると、そこには驚いた表情をする歩夢が居た。
「おー、歩夢やん。つかお前一人?」
晃くんは吸ってた煙草を空き缶に押しつぶし歩夢を見る。
「何でやねん。こんな所一人で来るか」
“あっち、あっち”
そう付け加えた歩夢は笑いながら遠くの方へと指差す。
視線を送る先は人混みに紛れて見える別の集団。
「そう言えばお前、女変わったん?」
「変わったっつーか、おらん」
「馬鹿やから長続きせんねん」
会話に割り込んで呟くあたしに隣に居た晃くんはクスクス笑みを漏らす。
「お前には言われたくない」
「お前って言うな」
あたしと歩夢のふざけた会話に晃くんはだんだんと苦笑い気味になる。



