いっそ気持ちいいくらいの尾形晴の言葉の切れ味に、寄生している方は面白そうに言った。
「はぁん?汚職だか性犯罪だかいじめだか調教だか無差別殺人だか、そういったことを日常茶飯事的にやってる奴らは、尾形くん的には極刑なんだ。へーえ」
『他人の心を潰すことを何とも思っていない人間には相応の返礼じゃないのか?』
「まあ、そうだね。実際そういう法律を作ったとしたら、この世に生き残る人間はどれくらいになるんだろうね」
台所まで来ると、冷蔵庫を開けてみる。寒いから温まるものがいい。
うどんの袋と残りもののカレーを引っ張り出すと、カレーうどんを作り始めた。
ほどなくして出来上がる。麺をすすっていると『美味しいね』と尾形晴が言った。寄生している方は笑ってしまう。
「お前全然緊張感ねぇ」
『君も緊張感ないし。緊張する意味ないし』
「張り合いもねぇ。何でお前そんなやる気ねぇの?」
『君みたいな人がいるから閉口してるだけじゃない?あまり攻撃的な人のそばにいると疲れるものだよ。みんながみんな闘争心の塊で生きてるわけじゃない』
「僕は迷惑物件か」
『そうだね。エネルギー有り余ってるなら、アスリートでも目指してみれば?攻撃性が人に向かうと公害だけでしかないけど、人以外のものに向かった場合、何かを成す人間にはなるかもしれないし』
「アスリートねぇ…。そういうものは性に合わないね」
『さっき君に言われた言葉、そのまま返そうか?弱肉強食を唄いながら、アスリートにもなれないのが凡人じゃないの?それって君のことだよ。もっとも万人が凡人だと認めるほどの凡人になることほど難しいこともないけど』
「凡人ね…。確かによく見たらおかしい人間の方が多かったりするからな」

