「もう…俺は十分待ったよ。」


「誠、嘘つくの下手だもんね。」



「え。」


なんとなくいつもの雰囲気とは違う気がして

思わず後ずさる。


「え?え??」


「気づいたんだろ?俺がお前を好きかもしれない、と。」

目を細めて親友は笑う。


トンッと背中に壁がぶつかった。



…追い込まれた。



何年振りかに見たこの表情。


それはやっぱりどこか不器用な笑顔だった。



不思議系男子のブラックスイッチ【完】