校舎の影に男二人は居た。 野球部の練習してる様子が響いて聞こえる。 「呼び出してどうしたんだ?」 「あの…な、」 言いにくそうに航平はうつむく。え、そんなに言いにくいことなのか? とりあえず黙って聞いた。 「俺…誠のことが……好きだ。」 「はい?」 今のは夢だ。 うん、絶対そうだと自分に言い聞かせた。 だってこいつ面と向かってこんなこと言う奴じゃない。 ちょっとむっつりっぽいし、相手には奥手だろう。