「まぢ!?ありがとうッ!」
俺は鈴木ちゃんの手をギュッと
握った。
「う、うん。だっだから...こういうのは...
やめてーっ!」
手をふりほどかれておされた俺。
すごい力で女とは思えねえ。
「いっいって。とっ友達なら
いいじゃんかよ!」
「友達だったらこういうことしない!」
「あ、ごっごめんなさい...。
で、名前愛梨って言うの?さっきから
よばれてたからさ。」
「え?う...ん。」
「そっか、可愛い名前だねっ!
愛梨...愛梨ちゃんかっ。
うん、それじゃまたね。」
そう言って俺は愛梨ちゃんに
手を何度も振りながら車に
乗り込んだ。
乗ってからもすぐに窓をあけて
手を振り続けた。
愛梨ちゃんは黙って呆れたように
俺を見ていたが最後に
小さく誰にも見えないように
俺に手を振って頬が少し
あがっているのが見えた。

