「だったら?何もシチュエーションとか
こだわんなくてもいいのよ。
適当に渡しちゃえば。女なんてね
高い指輪もらえれば十分なんだから。」

「...やっぱり若くて品のある女に
聞いてくる。」

「はあ?それってあたしが品のない女って
言うわけ?ん?ちょっと待ちな。」

店から出ようとすると亜里抄に
凄いけんまくで引き止められた俺。

「んだよ......。」

「あんた、これからどこ行くの?」

「どこって品のある女に聞くんだよ。」

「ふうーん。いるの?女友達。」

「ああ?まーな、大学に何人かは
女友達いるし。それが何?」

「...あんた、気ぃつけなよ。」

「は?何がだよ。」

亜里抄の言いてえことが分かんねえ。

「そんな軽く女と会ってたらばか見る。
そういうのはね、他の女に
聞かなくていーの。さっさと彼女に
渡して喜ぶ笑顔に見とれてな。」

「どうやって渡せばいいか分かんねえから
他の女に聞くんだよ。」

「...あんたねえ、彼女いるんだから
おとなしくしてなさいよっ!
あ、ちょっと!」

俺は亜里抄を無視して店から
出て行った。

アドレス帳から適当に
大学の女を捜す。

こいつ...は声がでけえから
うるせえし...やだな。

こいつも...めんどくせえし.....。

お、ちょうどいい奴を見つけた。

【葵】

勝手に俺の携帯にアドレスを登録して
きたけど...別に普通のやつだしいっか。

俺は葵に電話をかける。

─プルルルル...

8回目のコールでやっと出た。