花蓮【完結】

哲は泣いていた。


あたしのことを想って泣いているんだって。

痛いほどわかる。






「…哲」


「俺は麻美を好きでしゃーなくて。
だけど、好きな女守れなくて…何が男だよ…」


「……哲」


「………」


「……哲、聞いて」






あたしは真っ直ぐ哲を見た。
哲もあたしを真っ直ぐ見る。







「それが…族なんだ。
喧嘩は日常茶飯事だ。
あたしはわかっててやってる。

仲間がやられた。

けど、それは光も同じなんだ。
あたしにはたくさんの仲間がいる。
その仲間を命かけて守る。


…花蓮を作った時…そう、決めたんだ」



「…麻美…」




あたしのその言葉に、やりきれない哲は悔しそうに唇を噛む。






だけど。





そんな哲に容赦なく、あたしは告げる。



あたしが花蓮の、総長だって事実を。