花蓮【完結】

「はいはい、そこまで。麻美と今から話すからあっち行ってくれるかな?」


「あ、はーい!」


佐緒里があたしと後輩の間に割って入った。


収拾がつかなくなりそうだったから、佐緒里の助け船はいつも本当助かる。


「麻美、相変わらずモテモテだねえ」


「はは、可愛いじゃんか」


「まあねー。麻美、スタイルいいし、きれーだかんねえ。
まじレディースしてなかったらきっとモデルとかなってたよ」


「はっ?!ないない」



佐緒里の言うことを全否定する。
そこに初期メンバーの琴子が同調した。


「あーあるかもねえー。
まあ、こんなヤンキー駄目よねえ」



そんな“こと”はおっとりしてる喋り方で、垂れ目で。

普通に私服とかになったらレディースに入ってるなんて思えない見た目。


だけど、切れたら一変。
あたしでも手つけられないぐらいに暴れ倒すから、人間って不思議だ。


「ことまで。てか、あんたのがなってそうだって」


「ええ~??ないよ~私より麻ちゃんのがぴったりー!」


この甘ったるい喋り方も切れたら、まあ酷くなるから…。

それは、ここでは言えないぐらい…。