花蓮【完結】

「それじゃあ」


「送ってくれてありがとう」


「いいって。そのかわり、今度ちゃんとデートして」


「あー…考えておきます」


「また即答かい」


「あは、すみません。また」


「じゃあねー」




あたしが家に入るまで見送ってくれる哲。


玄関を閉める前に再度振り返り、軽く手を振ってあたしは中に入った。

後ろでエンジン音が遠ざかってゆく。



静かな家を見渡すと、あたしは小さくため息をついた。




母親はあたしが小さい時に離婚をしていた。

理由は詳しく聞いてないからわからない。

でも、多分父親の暴力が原因。



それから母親はあたしを養うためにお水で働き、そこの客と出来て別れてを繰り返していた。


家には代わる代わる男がいて。


男にうつつを抜かした母親は完璧、育児放棄。


だから、あたしが夜中何してようがお構いなし。
警察沙汰になったって関係なし。



あたしなんかいらないんだよね、あいつは。



男がいる家はあたしの居場所じゃなくって。
今日だって久しぶりに帰って来た。