花蓮【完結】


「おお、菜々美に都じゃねえか」

そうやって、手を振ってきたのは朱美さん。


「ちぃっす」

軽く頭を下げながら私と都は朱美さんと、琴子さんの近くへと行く。


「サボり~?」

「そうです、サボり」

「見りゃわかるっての」


琴子さんが言うのを、朱美さんが突っ込む。
そのやり取りを見て、皆で笑った。


「あ。二人にも言っておくか」

「何すか?」

他愛ない話で盛り上がってたら、朱美さんが思い出した様に話し出す。
私と都は目を合わせると、首を傾げた。


「光って知ってるか?」

光…?
何だ、それ。

空を仰ぎながら考えてると、隣の都が頷いた。


「知ってますよ」

「え、知ってるの?」

「うん、沙里とか光だよ、知らなかったの?」

「…知らんかった」



同じクラスの沙里がまさか、レディースやってるだなんて。