花蓮【完結】

手術室の前に来ると、信司と哲は話をしていた。
いつの間にか、俺の震えは収まっていて。
だけど、手術室の扉を見るのが、怖かった。

暴走族が、笑っちまうよな。

あんな変哲のない扉が怖いだなんて。

だけど。
もしかしたら麻美を連れて行ってしまう地獄の、悪魔の扉かもしれないから。




「中入ってどんぐらい?」

「…さあ、時計ねえし。一時間、いや二時間経ったのかな」

「そっか」


…そんな経ったのか?
それぐらい動揺してたんだな、俺。
手術室入ってすぐに哲ちゃん呼びに行ったのかと思ってた。


俺がぼんやり考えていると、朱美が哲の胸倉を掴んで叫んだ。