花蓮【完結】

紹介して本気になったのは哲ちゃんだった。
カラオケに入って、麻美と仲良く話してるのを見て黒い霧が俺の心を包んだ。

二人きりになった時、振られたって聞いて焦ったと同時にほっとした。


“ほら、やっぱり麻美は誰も受け入れない”


だから、紹介してもよかったじゃんって。
だけど、哲ちゃんはそこから諦めなかった。

ことあるごとに麻美にアタックしてアタックして。


ついには麻美の気持ちを手に入れてしまったんだ。


でも。
哲ちゃんならいいのかもしれない。
そんなこと思ってしまったのは。


哲ちゃんも本気だったから。
誰にも本気になったことのない男が、麻美にはまじになってたから。

今までみたく、軽い気持ちで麻美をたぶらかそうとしたなら許せなかったはずだ。
だけど、そうじゃなかったから。



凹んでる哲ちゃんを慰めて、元気づける俺って…。
とことんいい奴すぎるな。