花蓮【完結】

「麻美ちゃんって彼氏いたことないの?」


「あー……あるよ、一応」


「あ、あるの!?」


「前見て、前!」


「あ、ごめんごめん……てか、あるのか。拓斗からも聞いてないから」


「誰も聞かなかったからね。まー一人だけだけど」


「どんな奴だったとか聞いていい?」




元彼の名前は市原紀彦。

あたしと同い年で、爽やかな笑顔が印象的だった。

学年でもモテた彼。


あたしはそんな彼にいつしか惹かれていたんだ。



だけど、その頃から廃れていたあたしにとって彼は雲の上の存在で。

まあ、当たり前のようにあたしと接点なんかなくって。



しょうがないと思ってた…。




そんな時、彼から呼び出されて告白された。

初めての告白が好きだと思ってる相手。





だから、あたしはもちろんイエスと返事をした。