花蓮【完結】

「一回だけでもさ!」


「てっちゃん、麻美に何言っても無駄無駄ー麻美、他のチームとの馴れ合い嫌いだから。
特に男のチーム」


「そうなの?」


「まーそうです」


拓に言われて、麻美ちゃんに問い返すと麻美ちゃんは無表情のまま、素っ気なくそう言った。




「そうなんだ、じゃあ幹部だけの中ならいいでしょ?」


「てっちゃん?!」


「いーじゃん、俺が信司に言うし。
信司も佐緒里ちゃん連れてくるからいいでしょ」


「そうだけど、麻美は別というかなんつうか」


尻すぼみで話す拓の隣で佐緒里ちゃんも口を尖らせて、麻美ちゃんに言った。



「えー麻美、来ればいいじゃん!」


「んー考えとく」



佐緒里ちゃんに言われても、真顔でそう答えた麻美ちゃんは椅子に体育座りをしたまま、こちらを見ようともせず、ただ画面を見てるだけだった。


どこまでもいけすかない…。




だけど、そんな麻美ちゃんに俺はどんどん惹かれていったんだ。