ここ、葉山市にある葉山中学校は、周りからも評判の良い、いたって平和な学校だ。






そんな葉山中学校にぼくは通い、今、いつもと変わらぬ朝を迎えようとしている。







ジリリリリリリリリ。

カチッ。





耳障りなこの音に少々苛立ちながら、ぼくは大きなあくびを一つして、水色の丸い目覚まし時計を止めた。






それから、まだ眠そうに垂れ下がったまぶたを無理やり開いて、無造作にベッドから立ち上がり、先週買ったばかりのスリッパを履いて大きなカーテンを一気に開いた。






早朝の光が眩しい。






まだ午前四時だというのに、明るい。




そそくさと上下ジャージに着替え、両親と弟を起こさないよう、泥棒のようにそろりと階段を降りた。






玄関に揃ったスニーカーを素早く履いて、外に出る。