今日の授業はいつも通り最悪だった。


新しく習った魔法は上手くいかないし、薬学の授業では大鍋ごと爆発させちゃうし、戦闘の授業で相手の攻撃で怪我しちゃうし、むしろいつもより最悪だった気がする。


『いてて・・・』


相手の放った炎の魔法を避けきれず、思いっきり腕に当たってしまった怪我がずきずきと痛む。


一応保健室には行ったけど、運悪く先生がお休みで誰もいなかった。


仕方なしに先生に許可を得て早退させてもらった。






腕を押さえながらとぼとぼとお気に入りの泉の近くに歩いていく。


水は奇麗に澄んでいて、傷をつけてみるとひんやりして気持ちいい。


ぼんやりと水面を見ていると泉を泳ぐ子連れの白鳥がこっちを見つめているのに気づいた。


私は鞄の中をがさごそと漁り、お弁当だったサンドイッチを出して水の中にぽちゃんと投げた。


波紋を作りながら子供の白鳥が泳いでくる。


その後をゆっくりと親が泳ぐ。


そんな親子が可愛らしくて、つい私の分もあげてしまった。


白鳥たちはすべて平らげて再び泉の奥に泳いでいった。


私はおやつのクッキーを食べながら彼らを見送った。