気づけばもう夕方だった。
私たちはその間、飽きることもなくおしゃべりしていた。
夕日がスイレンに映ってとても綺麗だったからと、アンリはスイレンの絵を描いている。
『出来た?』
「後ちょっと」
さっきからずっとこんな感じに繰り返している。
<ユイ・・・相手を急かすのはよくありませんわ>
『えぇー?スイレンはアンリの絵見たくないの?』
<見たいですわ。だからこそ楽しみを取っておいているんですの>
私はごろりと地面にうつ伏せになって、ふふふ、と微笑むスイレンを頬杖をつきながら見た。
なんだかスイレンって・・・お姉ちゃんみたいな存在だ。
優しいし、面倒見がいいし。
・・・・お母さんよりも、好きかもしれない。



