<お分かりになりまして?>


『うん。それで、どうやるの?』


<簡単ですわ。ただわたくしが呪文を唱えればいいんですの>


『じゃあ私は何もしなくていいの?』


てっきり魔方陣とか書いたりするのかと思っていた自分が恥ずかしい。


<いえ、貴女にはわたくしの名を決めていただきます>


『え?名前を付ければいいの?』


<えぇ、名は大切ですのよ>


「名前はすべての始まりだから」


またよくわからない事を話しだした。


ともかく、私が名前を付ければいいのは解った。


<始めてもよろしくて?>


『うーん、センスはないけど・・・いいよ』


事実、ネーミングセンスはなかったりする。


困ったように笑えば、竜は


<いいですのよ、貴女がつけてくれる名なら、なんでも嬉しく思いますわ>


と綺麗な笑顔とともに言った。