・・・ 「いってえな!どこ見て歩いてんだよっ」 学校に向かって ユリと二人で歩きながら、 同じクラスだったらいいな、とか話してた。 新学期の朝。 いきなり飛んできた大声に、 ユリがびくっとして足を止める。 振り返ると、 道端ですれ違ったばかりのスーツのおじさんが、 こっちを見てにらんでいた。 「ぶつかったら謝れよ!」 おじさんの異様なけんまくに、 ユリと二人で顔を見合わせる。