【放課後屋上に集合】

と、見覚えのある汚い文字で書いてあった。


オロオロする私に

「本当にじれったいわね、あんた達」

そう言いながら、私の横の席に座る美依。
美依だけには、私の気持ちを言ってあるんだ。

「だって……」

「こんなチャンス滅多に無いから。告っちゃいなさいよ」

サラッと言う美依に、無理無理と弱気な私。

すると、美依は私の耳元に寄って

「そんな事言ってると、誰かに取られちゃうわよ。結構モテるらしいし」


わっ…分かってるわよ……


あんなにキス逃げ見ていたら、誰だって分かるし。

ただ、私に勇気が無いんだ。

嫌われたらお友達で居られなくなっちゃいそうで、衛を失ってしまう事が怖くて……


「いいの?」

笑顔で聞いてくる美依。



鬼。



「…良くない」

「じゃあ、頑張りなさい」

そう言うと、美依はニヤッと笑って自分の席に戻っていった。


もう、言い逃げですか。


私は衛から貰った小さなメモを眺めながら、もう1度大きなため息をついた。