何も話さなければ口を開けることもない彼を、クラスの奴等は不思議そうに見る。 先生も、もう彼が話さないと思ったのか次の言葉を発しようとする。……が、 「……右目、失明してるんで」 彼は、口を開いた。 やっと発した言葉に、クラスがざわざわと騒ぎ出す。 これはさっきみたいな“楽しみ”っていう意味で騒いでるわけじゃない。 ……―“驚愕” 今回は、そうだ。 間違い、ない。 右目を失明。それがなによりの証拠。 姿だけでも分かったけど、……信じたくなかった。