天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

“あなたは他の子と違うの。もっとしっかりしなさい!”


“こんな馬鹿で、俺の跡取りが務まると思ってるのか!”


ちょっとしたことで怒られた。


何度も殴られて、蹴られて。


なんでこんな呪いを持って産まれてきたのとか。


どうして産まれてきたのとか。


…怒りの矛先は、常に僕に向かった。


それでも、しっかりできたときは優しかったから。


どんなに地獄でも…頑張ろうって思えた。


……僕にとっての地獄は…翼鬼のとって天国だった。


僕の苦しみなんか…翼鬼の苦しみに比べたら…比べるのが間違っているくらい…


楽だった。