♪天鬼♪

これは、僕たちが産まれてからの話だよ。


…僕たちは、何不自由なく生きていける…裕福すぎる家に産まれた。


望めば、すべてが叶う。


そんな家。


母親なんて呼びたくもないけど、その人は僕たちを産んですぐ…異常に気づいた。


額と背中の痣。


恵まれている自分の子が、こんな忌まわしい証を持っている。


そうバレたらどうなるか。


そんなの、分かりきってた。


だから…捨てようとしたんだ、僕たちを。


だけど、父親に痣が見つかってしまった。


そしたら、その人…なんて言ったと思う?


この子たちで……人体実験しようって言ったんだよ?


ただし…女のほうのみで。


僕は男だから、跡取りとして必要だった。


たとえ呪われた子だとしても。


それから…地獄だった。


天鬼と名づけられたせいで、痣は濃くなっていく。


力も…強くなった。


それでも、両親は僕に優しかった。


…普段は。