天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

こうなると、過去を話したほうが手っ取り早いような…。


どーしよう。


僕は沖田さんの部屋を出て、一人で考えていた。


「おーい、天鬼ぃ!」


さて、どうしたものか…。


「天鬼!おいってば!」


翼鬼が話してもいいって言ったけど…翼鬼自身が話したほうがいいと思うんだけどなぁ。


「無視かよ、なぁ!?」


そこで僕はピタッと止まって、振り返った。


「うるさいよ、考え事してたんだ。てか、いつもいつもそのデカい声どうにかなんないの?もうちょっと静かにできない?できないんなら、針と糸でその口縫ってあげるけど」


「天鬼…黒いって、てか、声なら仕方ないよな!これが地なんだからよ!」


「だから、それを少し治そうとしなよ。馬鹿は治るからさ」


「いやいやいや、なおるの字おかしくね?直る、だろ!」


…突っ込むとこ、そこ?


もういいや、なんか面倒になってきた。


「んで、何の用?佐之さん」


「無視かよ!?…まあいい。副長が呼んでたんだよ」


「…土方さんが、僕を?」


…なんだろ。


「んー、分かった」


僕は再び考えながら、土方さんの部屋に向かった。