天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「さあて、次は着物ですね」


「翼鬼も男の?」


「仕方ないですよね。屯所にいるんですから」


…別に、男の着物のほうが楽だと思うんだけど。


そんな残念そうに言わなくても…。


「ここですかね。呉服屋です」


…すご…着物ばっかだ。


「いらっしゃい、沖田はん。かわええ子たちどすなぁ」


そう言って出てきたのは…。


同い年くらいの女の子。


可愛い…。


もしかして、女と思われてる?


いや、あたしは女だけど…天鬼は…。


ていうか、あたしも男でいるんだっけ?


あれ…分かんなくなってきた…。


「お千代さん、天鬼君に…翼鬼君です」


あ、さすがにあたしも男なんだ。


よかった。


「初めまして、天鬼です」


「……翼鬼です」


「よろしゅう。天鬼はん、髪が短いんどすなぁ」


やっぱりこの時代じゃあ不自然なんだ…。


「いや、僕の趣味だよ」


…ナイス誤魔化し。