天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「俺…」


どれがいいんだろ…。


「翼鬼、これは?」


天鬼が差したのは、何か他と違う感覚がした刀。


普通の刀じゃない…?


刀なのに、妖艶で。


美しくて、どこか…かわいそうで。


「…これにする」


あたしに…似てる気がした。


買ってもらえない、刀のような気が…。


「お客さん、それでいいんですかい?」


「…はい…」


「この刀、名前なんて言うんです?」


刀に名前ってあるんだ…。


そういえば、沖田総司の刀も、名前あった気がしなくもなくもない。


「へい、それは麗優鬼(レイユウキ)です」


「鬼…」


だから、あたしと似てるのか…。


ふっ…結局あたしには、鬼がついて回るんだな…。


「優しい鬼ですよ。美しくて、優しい鬼です」


「ぴったりだね、翼鬼に」


美しくて…優しい鬼…。


「これにします」


「まいど!」