天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「うわぁ…」


刀がいっぱいだ…。


「好きなの選んでください」


好きなのって…。


刀なんて分かんないよ。


「すごい、本物だねぇ」


「未来に本物の刀はないんですか?」


「あるよ。でも、一般人は持ってないし、使うこともない」


「へぇ。ずいぶん変わってますね、今と」


…刀…。


これを持ったら、人の命を奪うんだ…。


怖い…?


分からない…。


殺したいほど、憎い相手ならいた。


でも、この時代にはいない。


あたしが刀で人を斬ることは…あるのだろうか。


「翼鬼ちゃん。決まりました?」


「あ…」


どれにしよう?


「天鬼は、どれ?」


「僕これ~」


そう言って差し出した刀は。


「…綺麗だね…」


よく斬れそうな、光っている刀だった。