天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「どうしたの…その痣」


「これね、産まれたときからあったんだ。…翼鬼にも」


産まれたときから…?


「これと、背中に翼の痣もある。そのせいで、僕たちは鬼だって言われてきたんだよ」


…この痣があるから…鬼?


なんで…真紅で、綺麗なのに…。


「…血の色なんだって。僕は比較的薄かったんだけど、名前が天鬼って鬼だからね…濃くなっちゃった」


名前は、呪。


そうなってほしいと願ってつける。


そして、名前を呼べば、どんどんその通りに育ってゆく。


「……俺は…もともと力が強かった。だから…痣も濃かった」


翼鬼ちゃん…。


だから…隠すために、前髪を……。


「守りたかった…。翼鬼は、僕が守りたかった。でも、子供にできることなんて限られてる。だから、前髪を伸ばしてもらった。ぱっと見、分かんないでしょ」


そっか…。


二人とも、生き抜くために…。


「睨むのも、そう。睨めば人は近づかない。そうやって、翼鬼は…自分の身を守ってきた」


女の子が…こんな…。


「……もう、生き抜くために偽る姿はいらない。過去は…」


「「乗り越えて前に進む」」


翼鬼ちゃん…天鬼君…。


強いね、君たちは…。