♢総司♢

「翼鬼ちゃん…?」


苦しいの?辛いの?


そんなもの、全部置いていけばいいんだよ?


「やだ…どうせ…みんな怖がる…」


「怖がらないよ。信じていいよ、俺たちは」


「…どうせ、本当のこと知ったら…離れてく」


君は、どれだけ辛いことを経験してるんだろう。


「みゃ」


愛が、俺の足元に寄ってきた。


「愛…ちょっと、待って」


天鬼君が、朝翼鬼ちゃんがやったことと同じことをした。


「…翼鬼は、優しいのよ。だから、傷つけたくないと思ってる。たとえ…自分を傷つける人であっても」


「愛…やめてよ…」


そっか…傷つけたくないから。


誰も、不幸になってほしくないから。


だから…この子は。


「嫌われるように、動いてるの…?」


「そんなこと…してない…。嫌いだから…信じたく…ないから…」


「翼鬼。素直になってよ…」


「愛に、何が分かるの…?俺の、何がっ…」


「翼鬼、言いすぎだよ」


「……うるさい…」


ようは。


いじっぱりなんだね、翼鬼ちゃんは。