天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「ぐああぁぁぁ!」


これで、もう片方の耳は聞こえない。


ざまあみろ。


「そっちが悪いんだからね?命を助けてあげただけでも、有り難いと思いな」


…本当なら、殺してあげたのに。


感謝してほしいね。


「天鬼君、翼鬼ちゃん、大丈夫!?」


「よかったぁ、無事で」


「翼鬼は無事じゃないよ」


早く…安全な場所に移動させないと。


傷が、治る前に。


僕が運びたいけど…身長的に無理だよな…。


「沖田さん、お願いできますか?」


「うん、いいですよ」


沖田さんが翼鬼を抱き上げようとした時…。


翼鬼が、自力で立ち上がった。


「…一人で…歩ける…」


「無理だよ、そんなこと!翼鬼ちゃん、もっと総司に甘えな?」


そうだよ…ムリしなくても…。


「つば…」


「くっ…ああ…」


!もう、始まった!?