天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「……殺してあげようか?」


「ひいっ!」


ほんと、馬鹿だな。


翼鬼を傷つけたら、僕、本気になるのに。


その時。


「…てんき…ころさ…な…で」


その声で、我にかえった。


「翼鬼!?」


「だめ、だよ…」


なんで、翼鬼はそんなに…。


「優しいの?」


許せないのに…。


自分が傷ついたのに…。


「…分かったよ」


もう、やめてあげようと思ったのに。


敵が、最後の悪あがきをしようとするから。


「死ねぇぇっ」


僕、我慢してあげるつもりだったんだよ?


でも…。


「ごめんね…」


僕は、敵の剣を蹴っ飛ばして。


相手の耳に、もう一発蹴りを入れてやった。