♠翼鬼♠

あたしたちが目覚めて、1ヶ月がたった。


もう普通に話せるし、体も動かせる。


「…そーうじっ」


「どうしました?」


笑顔であたしを見てくれる、愛しい人。


「なんでもないっ」


「なんですか、それ。新手の甘えですか?」


「知ーらないっ」


そう、総司の言うとおり…これは甘え。


あたしは自分で言うのもなんだけど、けっこう甘えん坊になったきた。


ワガママ娘にも。


それをみんなは許してくれてる。


そりゃあ、制御はちゃんとしてるよ?


だけど…みんなが大好きだから。


甘えたいって…思うようになった。


特に総司にはヤバいくらいベタベタしてる。


それを天鬼に見られてはからかわれる。


…あたしもお千代ちゃんとのこと、からかってるからいいもん。


あれからあたしもお千代ちゃんと話した。


未来から来たってこととかも、全部。


お千代ちゃんは笑って、言ってくれた。


「翼鬼はんは、翼鬼はん。それと、もうお千代でええどす」


それからあたしたちは親友☆


お千代ちゃんって呼ぶようになったし、翼鬼ちゃんって呼んでくれる。