天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…あの日、俺が言った言葉…覚えてる?」


あたしを、助けてくれた日。


「覚えてるよ?」


初めて、言ってくれた。


総司があたしのこと好きでいてくれてるの、分かってた。


でもやっぱり、言葉にしてくれると、もっと分かる。


「翼鬼…。これからも、俺のそばにいて?」


「総司から、離れられるわけないじゃん…」


みんなから、離れたくない。


「ずっと愛してるよ、翼鬼…」


「あたしも」


「…翼鬼にも、言ってほしいなぁ?」


…何を?


というか、またこのパターン?


「何を言ってほしいの?」


「ほんとに分からない?」


総司は呆れたように笑った。


嘘、分かってるよ。


でも照れた総司を見たいから。


「うん、分かんない」


って言っておく。


総司は不意打ちに弱いっぽいから。