天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

急に真剣な顔になって、総司は言った。


「余裕なんてないよ。翼鬼はどこかへ行きそうだし」


「総司以外のとこへなんか、絶対行かない」


総司以外…恋愛として好きになんかなれない。


それは断言できる。


「くすっ…。だから好きなんだよなぁ」


そう言って総司は、あたしを引き起こして抱きしめた。


「そうやって自分に正直なとこ、大好き」


「…ほんとに、どうかした?」


なんとなく、総司っぽくない。


「どうもしてないよ。久しぶりに翼鬼に触れたから…。ずっと、抱きしめてていい?」


……なんでそんなセリフ、恥ずかしげもなく言えるのぉっ!?


本当にそう思う。


けどあたしだって総司とこうしていたいから。


「うん、抱きしめてて?」


総司の温もりを、感じてたい。


久しぶりに会ったから。


総司……ずっと、会いたかった。