天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「総司…きゃっ!?」


部屋に入った途端、おろされて押し倒された。


「初めて聞いたかも。翼鬼の女らしい声」


総司があたしの耳元で囁く。


…そんなに女らしくないか、あたし。


まあわかっているが。


そもそも男になりたくて俺って言ってたし。


女らしくないのは重々承知…。


でも、総司に言われると…泣きたくなる。


「翼鬼、勘違いしないで。翼鬼は十分可愛いよ」


「でもっ…女らしくない……ひゃっ!?」


い、いきなり耳にキスしないでよ。


変な声でた…。


「翼鬼が起きるまで、ずっと不安だった…。怖かったんだよ?」


「それは…ごめんなさい。…ねえ、ずっと手握っててくれたの?」


疑問に思っていたことを聞くと、総司は真っ赤になった。


その意味を理解して…笑えた。


「なんで笑うのさ」


まだ真っ赤な顔のまま、拗ねたように聞く、総司。


「だって…。いつも余裕の総司が真っ赤になったもん」


それに、ずっと手握っててくれたし。


それだけで赤くなる総司って、けっこうレアもの。


「…余裕なんて、ない」


総司…?