天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

もうちょっと簡単に説明してほしい…。


「…お前たちが目覚めないかもと思うと、俺たちの心に恐怖が生まれる。それが代償だ」


「斎藤さんの説明、分かりやすい」


みんなが何かぶーぶー言ってるけど、無視。


「おい、翼鬼。お前…声それだけしか出ねえのか?」


土方さん…何気に痛いとこつくね、あなた。


「出ないよ。だってずっとしゃべってなかったし…」


3ヶ月もしゃべってなかったら、しゃべりかたを忘れる。


でもまあ、しゃべれてるんだしいいじゃん。


大目に見てよ。


「…で、なんでお千代ちゃんがいるの」


天鬼が、そう聞く。


「ばれたんだよ、お前がずっと寝てるのが。そしたら…」


「だって、天鬼はんが苦しんどるときに何もできんかったから…今度は、ずっとおそばにおりたかったんどす…」


うわぁ、健気…。


そして可愛らしいっ。


女の子らしいって、お千代さんみたいな子のことをいうんだろうな。


「土方さん、俺は…」


総司…?


何かを言おうとしたけど、土方さんは全てわかっているという風に頷いて。


「行ってこい」


とだけ言った。